【理学療法士解説】X脚の原因と予防方法

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【理学療法士解説】X脚の原因と予防方法

2020/02/09

X脚の原因と予防方法

〈今回のテーマ〉

こんにちは。理学療法士でパーソナルトレーナーの三井です。

今回のテーマは「X脚の原因と予防」です。

 

X脚と言うと女性に多い印象ですが、「隠れX脚」を含めると男性にも無関係なものではありません。X脚は見た目の問題だけでなく、推進力低下や関節痛の原因にもなります。

 

膝には通常以上の負担を強いることになります。さらに、股関節にも必要以上の負担を強いることになりますので、X脚状態でのランニングは「膝と股関節をいじめる走り方」となってしまいます。

 

さらには、足首のズレや足部への強い負担もかけてしまうX脚・・・

そんな下肢泣かせのX脚から脱却し、長くランニングを楽しめる身体にステップアップしましょう!

〈X脚の定義〉

X脚の定義は、「膝と膝をそろえた状態で立った時、内くるぶしと内くるぶしの間に隙間ができている状態」とされています。膝と膝をそろえる際は、膝のお皿が内向きにならないように真っすぐ正面に向けた状態にします。くるぶしの間の隙間が2横指(指2本分=約3㎝)以上離れるとX脚とされていることもあります。

 

一般的なX脚の定義は以上のような感じで、立った状態で目に見える「わかりやすい形態異常」です。それとは逆に、私が先ほどお伝えした「隠れX脚」は、パッと見は目立った異常がないけれど、ある特定の動作時に出現してくるX脚状態のことです。

 

私が勝手に「隠れX脚」と言っているだけなので一般的ではないです。ただ、隠れX脚状態を続けていると膝への悪影響が強い上に、そのうち本当のX脚になってしまう恐れがあります。

 

隠れX脚の定義は「片足立ちの時やスクワット・片足スクワットを行った際に、膝が内側を向いている状態」と考えています。専門家や勉強熱心なランナーの方であれば「Knee in toe out」という単語を聞いたことがあると思いますが、その状態のことです。

 

隠れX脚状態は以下の図のような感じです。

左:標準的な片足立ち

中央:つま先内向き・ひざ内向き・股関節内向きの典型的なX脚支え

右:つま先外向き・膝下外ねじれ・ひざ内向き・股関節内向き・骨盤片側下がりのX脚支え。膝下は外ねじれ傾向なのに膝を含めた膝上は内ねじれ傾向の状態です。

(※右の支え方が下肢への負担が最も強いです。膝・股関節への負担だけでなく、扁平足・外反母趾を強めてしまうなど足部にも負担を強める下肢泣かせの支え方です。)

図:運動時によくみられる隠れX脚 (Knee in toe out)

隠れX脚は男性女性問わず、立っているときの見た目がX脚がどうか問わず、多くの方々にみられます。

「隠れX脚」という名前はともかく、良くない支え方なので、対策が必要です。

 

〈X脚の原因〉

X脚の原因は、「①:骨や関節が顕著に変形したX脚」と「②:骨や関節に顕著な変形を伴わないX脚」に分けることができます。

「①:骨や関節が顕著に変形したX脚」は取り戻すことのできない構造的な変化が強いため、多少の改善は期待できますがきれいさっぱり元に戻ることは稀です。

改善が難しいX脚の原因は以下の通りです。

〈X脚の原因①:骨や関節の顕著な変形を伴ったX脚〉

①-1:膝関節軟骨が顕著に摩耗してしまった場合(中等度以上の変形性膝関節症の場合)

①-2:大腿骨や脛の骨などを骨折してしまい、骨折箇所に変形が残っている場合

①-3:生まれつきの下肢の変形による場合

 

このように、関節や骨の変形が原因でX脚状態となってしまっている場合は、改善が困難です。しかし、明確な骨変形が原因ではないX脚の場合は改善の余地が十分にあります。隠れX脚はその典型です。

では、改善可能なX脚「骨や関節の変形を伴わないX脚の原因」を確認しましょう。

〈X脚の原因②:骨や関節の顕著な変形を伴わないX脚〉

骨や関節に強い変形が無いのにX脚状態となってしまっている場合は、以下のようなことが原因として考えられます。

 

➁-1:膝上のからだの支え方の崩れ

➁-2:膝下のからだの支え方の崩れ

 

簡単に言ってしまえば、これらは全て「身体の扱い方」の問題です。先ほどお話しした「隠れX脚」はこちらに分類されます。

これらの原因は単独ではなく、たいていの場合は複数存在しています。1つだけの改善では結果に繋がらないかもしれません。しかし、「千里の道も一歩から」の精神で、1つずつしっかりと改善を図ってください。

では、X脚対策についてお伝えしていきますが、その前に。

 

前回のテーマはO脚でしたが、O脚とX脚は兄弟のようなものです。

見た目は全く真逆ですが、O脚とX脚は「共通する原因」から生まれてきています。

なので、見た目は違うけど同じ両親から生まれてきた兄弟のようなものです。

例えとして適切ではないかもしれませんが、親に問題があって子供に悪影響を与えているような状態です。「兄弟2人とも問題児だけど、お兄ちゃんはこんな感じで弟くんはこんな感じで違うんだよね~」というだけで、諸悪の根源は兄弟に共通の「親」にあるのです。

 

X脚・O脚は見た目は違えど根本的な原因は共通していて、ちょっとした条件の違いからO脚になるかX脚になるかというだけです。

 

では、X・O脚兄弟に共通する原因とは何かというと、「股関節機能不全」です。

簡単に言ってしまえば「股関節をうまく使えていない状態」ということです。

○○という条件を持った人が股関節をうまく使えないとX脚になってしまうし、△△という条件を持った人が股関節をうまく使えないとO脚になってしまう、という感じで「股関節をうまく使えないこと」が共通の問題点です。

その為、O脚対策でやるべきこととX脚対策でやるべきことには、方法に多少の違いはあっても、股関節をうまく使えるようにしていくという共通課題があるのです。

 

では、X脚の対策に移ります。

〈X脚の対策①:骨や関節の顕著な変形を伴ったX脚の対策〉

この場合の対策はO脚のときと同じです。対策としてまず挙げられるのは「専門家による経過観察」です。

X脚の進行に伴い関節の変形がますます顕著になってしまうと、歩行や日常生活自体に大きな支障が生じます。今現在は問題がなくても、長期的には今よりもさらに変形が進んでしまい、痛みがひどい場合などは手術による外科的処置が必要となることもあります。

大ごとになる前から専門家に経過をしっかりと把握してもらい、然るべきタイミングで適切な処置や対策を進言してもらうことがベターです。

特に、股関節の先天的な病気「先天性臼蓋形成不全」という診断を受けたことのある方は、生まれつきの股関節の形の問題が引き金となってX脚状態の支え方となってしまうことがありますので、要注意です。

既に関節の変形を医師から指摘されたことのある方、生まれつきの下肢の変形を指摘されたことがある方、過去に下肢の骨折をした際に完全回復しなかった方は、医師や信頼できる専門家などに相談なさってください。ランニングをしているということもしっかりと伝えてくださいね。

そして、その上で、これから紹介する「X脚の対策②:骨や関節の顕著な変形を伴わないX脚の対策」を参考にしてみてください。今後の変形を最小限にするために、からだの扱い方を改善することは効果的です。

〈X脚の対策➁:骨や関節の顕著な変形を伴わないX脚の対策〉

この場合の対策は、先にお伝えした通り「からだの扱い方」の改善が必須です。

 

・膝上のからだの支え方の崩れを改善する

・膝下のからだの支え方の崩れを改善する

 

この2つの崩れを改善することが重要です。では、1つずつ問題点を改善していきましょう。

〈X脚を強めてしまう「膝上のからだの支え方の崩れ」を改善する〉

「膝上のからだの支え方の崩れ」を改善することが「X脚の根本原因を改善すること」になります。

X脚の根本原因はO脚と共通です。X・O共通の根本原因である「股関節機能不全」を改善することが何よりも重要です。股関節機能不全を解決するための対策エクササイズはO脚対策の時と同じです。加えて、X脚対策特化エクササイズもご紹介しますので、参考にしてみてください。

 

隠れX脚の説明の際にお示しした図のような支え方がX脚を強めてしまうのですが、もう一度、典型的なX脚とX脚状態の人に比較的多い姿勢の癖を確認しましょう。それは以下の図の通りです。

左:X脚状態。体重を乗せたときに、下肢が全体的に内側にねじれた状態となる。

右:X脚の場合は「腰が反ってしまう支え方の癖」がついてしまっていることも多いです。

〈X脚を防ぐためのエクササイズ:膝上の改善編〉

〈その1:方法〉

1.横向きに寝ます。

2.膝を伸ばしたまま、上側の下肢を持ち上げます。

3.上側のお尻の筋肉(天井側のお尻の横側)に力がしっかりと入っていることを確認します。

4.お尻の筋肉が疲労感を感じるまで反復します。

〈その1:注意点〉

上段:つま先が天井を向かないようにしましょう。

下段:つま先が天井を向かない・持ち上げる下肢は前側(顔を向けている側)にずらさずに骨盤ラインに揃えましょう。

補足注意:写真には写っていませんが、腰の反りはしっかりと防ぎましょう。足の上げ下げに伴って腰の反りが強まりやすいので要注意です。

〈その2:方法〉

1.両膝と両腕で身体を支えます。

2.片脚を少し浮かせて、片膝と両腕だけで身体を支えます。

3.お腹(腹筋)と脚の付け根の筋肉(腸腰筋)でしっかりと身体を支えていることを確認します。

4.片側5秒キープを10回行います。

5.腰が反ってしまう場合は、両膝支え10秒キープを5回行って下さい。

〈その2:注意点〉

上段:両膝支えの段階から腰が反らように気をつけましょう。腰が反って落ちてしまう方は、地面を膝でまっすぐ真下に押せていないことが多いです。しっかりと「真下」に圧をかけます。

下段:片膝支えの際に腰が反らないように気をつけましょう。腰が反って落ちてしまう方は、地面を膝でまっすぐ真下に押せていないことが多いです。しっかりと「真下」に圧をかけます。

補足注意:X脚状態の人は腰が反りやすい傾向にありますので、反り腰に要注意です。しかし、自分では反っているかどうかわからないこともあるかと思います。そんな時は、可能な限り腰を丸めて膝でしっかり地面を「真下に押す」ように行ってください。お腹と下肢の付け根(鼠径部)に力が入っている感じがすれば大丈夫です。

〈その3:方法〉

1.壁に手をついて片足で立ちます。

2.浮かせた下肢を真横に動かします。

3.お尻の筋肉(その1のエクササイズで感じ取った殿筋)に力がしっかりと入っていることを確認する。

4.動かしている側のお尻の筋肉だけでなく、立っている側(動かしていない側)のお尻の筋肉にもしっかりと力が入っていることを確認する。

5.お尻の筋肉に疲労感を感じるまで反復する。

〈その4:方法〉

1.横向きの状態で膝の外側と肘で身体を支えます。

2.上側(天井側)の下肢をさらに持ち上げます。

3.その1とその3のエクササイズで確認してきた「お尻の筋肉」にしっかりと力が入ることを確認します。

4.上側(天井側)のお尻だけでなく、下側(床側)のお尻にもしっかりと力が入っていることを確認します。

5.お尻の筋肉に疲労感を感じるまで反復します。

 

補足注意:この種目を行うときに腰が反ってしまう場合は、この種目を行う身体レベルに達していないことがほとんどです。その2のエクササイズに戻って、腰を反らずに体幹を支えられるための「力強さ」と「腰反り癖の修正」を達成してから行いましょう。

 

〈その4:注意点〉

上段:OK

下段:腰が床側に落ちてしまわないように気をつけましょう。

〈X脚を強めてしまう「膝下のからだの支え方の崩れ」を改善する〉

膝下のからだの支え方が崩れた例は以下の通りです。

 

・つま先の向きが膝の向きと不一致になりやすい

(つま先外向きはO脚の場合でも起こりやすく、つま先内向きはX脚の場合に多いです)

・偏平足傾向の方が多い(外反母趾傾向の方も多い)

・足首の関節がズレやすい(つま先を持ち上げたときに小指側に持ち上がってしまう)

 

X脚の場合は、以上のような状態で支え方が崩れていることが多くなります。

この場合に改善しなければならないことは、結局O脚の時と同じです。

つま先がまっすぐ前を向いた状態で、母指球からしっかりと体を支えられるようにすることです。

では、膝下の崩れも順を追って改善していきましょう。

〈X脚を防ぐためのエクササイズ:膝下の改善編〉

〈その1:方法〉

1.指を曲げずに母趾を下方向(足裏方向)にずらします。攣りやすい運動なので要注意。

2.土踏まずの部分の筋肉にしっかりと力が入っていることを確認します。

3.力を入れて5秒キープを10回反復します。

〈その1:注意点〉

上段:OK

下段:指が曲がってしまわないように気をつけましょう。

〈その2:方法〉

1.つま先をしっかりと正面に向けて、壁に手をついて立ちます。

2.両足のかかとを持ち上げます。

3.小指側(外側)に体重を逃がさずに、母趾球側(内側)にしっかりと体重が乗っていることを確認します。

4.体重の乗せ方の訓練なので、しっかりと母趾球側に体重が乗せることを確認しながら15回反復します。手の力で支え過ぎないように注意します。

5.慣れてきたら片足で行います(下図)。X脚の人は母指球(内側)に体重は乗っているけれども、内股で膝内向き状態になりやすいので要注意です。

〈その2:注意点〉

左:両足バージョンOK。つま先正面向き、膝正面向きで下肢にねじれの無い状態。

中央:NG.つま先が内向きで膝も内向きの典型的X脚の状態。腰も反ってしまっていることが多いです。

右:NG.つま先が外向きなのに股関節内向きという複雑な下肢ねじれが生じていて、とても負担の強い支え方。外反母趾を強めるような体重の乗り方になってしまっていることが多いです。

左:片足バージョンOK。下肢にねじれのない支え方です。

中央:NG. つま先内向き・膝内向きの典型的X脚の状態。

右:NG. つま先外向き・股関節内向きの負担が最も強いX脚の状態。膝だけでなく外反母趾や扁平足などを強めてしまう支え方。

〈補強エクササイズ:X脚を強めてしまう「股関節機能低下」を改善する〉

X脚の場合、股関節をきれいに外側にねじる能力(股関節外旋能力)が欠けてしまっていることが多いです。ふだん上手く股関節を動かせていないので、股関節の可動域自体も低下しがちです。

X脚対策の一環として「股関節の外ねじり運動」もおすすめです。

〈X脚を防ぐためのエクササイズ:股関節機能低下改善編〉

1.片膝を曲げて仰向けに寝ます。もう片方の下肢は膝を伸ばした状態で少し外側に開いておきます。

2.膝を曲げている側の下肢を外側に倒します。

3.倒した側のお尻の筋肉に力が入ることを確認しながら行います(図では左のお尻に力が入っています)。

4.X脚傾向の方は腰反りが強まりやすいので、しっかりと下腹部にも力を入れて腰反りが強まらないように行います。

5.片側20回を目安に行いましょう。

〈股関節機能低下改善エクササイズ:注意点〉

上段:OK.骨盤がねじれずに行えている。

下段:NG. 下肢を外側に倒した時、骨盤も一緒に動いてしまわないように気をつけましょう。お腹の力で反り腰と腰のねじれを押さえることが重要です。

 

〈X脚改善は1日にしてならず〉

過去記事のO脚改善の際にもお話ししましたが、からだを変えていくことには時間が必要です。正しい運動方法、正しい姿勢、正しい走り方などなど、一度習っても忘れていってしまうものです。一時的な改善にとどまらず、永続的な改善を達成する為には「効果的なエクササイズを日々積み重ねる」ということに尽きます。

今の不調は過去の自分が作っています。過去の姿勢・過去の走り方・過去の身体能力に課題があったから、今現在不調を感じてしまうのです。過去の自分の何気ない習慣を断ち切り、新たな体を手にしていくことには、少なからず「積み重ね」が必要です。

今日の一歩が明日を作り、明日の一歩が明後日を作る。この繰り返しが「いつまでも快適に走り続けられるからだ」を作り上げます。

とはいえ、これは理想論(笑)

長期にわたって頑張り続けるのは相当大変です。まずは最低でも週1回。未来のランニングを明るく変える為のエクササイズ&セルフケアを行いましょうね。

Link Fitness限定「ランナーの為の痛み・違和感改善サポートブログ」

過去記事1:「足部の痛みや膝痛の原因にもなるランニング中の足首のブレ改善方法」

https://link-fitness-center.com/blog221/

過去記事2:「腰痛や膝痛の原因にもなる骨盤のゆがみ改善方法」

https://link-fitness-center.com/blog222/

過去記事3:「O脚の原因と予防」

https://marathon-school.com/blog/detail/20200102211122/

著者:三井祐紀(理学療法士・CSCS)

https://mitsuiyuuki.com/

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