膝裏の痛みの原因と予防方法
2020/03/03
膝裏の痛みの原因と予防方法
こんにちは。パーソナルトレーナー&理学療法士の三井です。
今回のブログテーマは「膝裏の痛みの原因と予防方法」です。
走っていると膝裏が気になる・・・
膝の曲げ伸ばしをすると膝裏が気になる・・・
そんな方々に原因と対策をお伝えします。
たかが膝裏、されど膝裏。
筋肉・骨・関節の問題で膝裏に痛みが生じることもあれば、その他の原因によって生じることもあります。
筋肉や関節の問題だと思って高を括っていたら、実はもっと早く別の対策をしなければならない病気だった!なんてこともあり、原因によって対策は様々です。
今回もよろしくお願いします。
まずは膝裏に痛みが出現する疾患候補たちを一覧に示します。
それぞれの原因によって対策が異なりますが、甘く見てはいけないものもあることを確認してください。
運動、トレーニング、筋肉を緩めることなどで対策可能なものもあれば、医学的検査や医学的処置(外科的処置・薬物療法など)が必要なものもありますので、運動やほぐしでは全て解決できない場合もあるということは理解してください。
膝裏の痛みの原因となる候補たち
・筋の過緊張や滑走不全(筋筋膜性の問題)
・変形性膝関節症
・膝関節捻挫
・靭帯損傷
・半月板損傷
・関節リウマチ
・ベーカー嚢腫
・深部静脈血栓症
まずはざっくりと、それぞれの候補がどんなものなのかと対策についてお伝えします。
【膝裏の痛み候補1】
ランニングや運動をしているときだけ気になる・・・
何もしていなければ大丈夫なんだけど動かしたりすると・・・
という方の膝裏の痛みの原因は、筋の過緊張や滑走不全などに問題があることが多い印象です。
「筋の過緊張や滑走不全」を簡単に言うと、膝裏の筋肉などに不具合が起きているということです。不具合が起きてしまう理由は「メンテナンス不足」や「脳の中での運動プログラム作成エラー」などが考えられます。
この場合の痛みは、レントゲンやMRIなどの医学的検査をしても原因が見つからないことがほとんどです。その為、対策は「運動療法・トレーニング」「徒手療法(≒筋ほぐし)」が有力候補となります
運動・トレーニング・セルフケアについては、原因別の解説が終わった後の章【運動とセルフケアによる対策】でお伝えしますね。
「医学的検査をしても原因が分からないなら病院行く必要ないよね?」というご意見もあるかもしれませんが、答えは「No」です。その理由はこの後の「候補2:変形性膝関節症による膝裏の痛み」の中で解説します。
とりあえず改善エクササイズとセルフケアを教えて!という方は、この後に続く原因別対策の項目は飛ばして【運動とセルフケアによる対策】をご覧ください。
【膝裏の痛み候補2】
変形性膝関節症が原因となって膝裏に痛みが生じる場合があります。
変形性膝関節症でなぜ膝裏が痛くなるのか?という理由については2つの場合が考えられます。
まずは、関節の変形そのものが痛みを引き起こしている場合です。
変形=組織損傷ですから、結果的に痛みを感じることとなります。変形性膝関節症は膝の内側に変形が起こりやすく、痛みも内側に生じることが多いのですが、膝裏に痛みが発生することも無いわけではありません。
もう1つの痛み発生要因は、変形させるような負担がかかった結果として膝関節に炎症がおきてしまっている場合があります。
この場合の痛みが発生する流れとしては、「変形させる負荷→組織損傷→炎症反応→痛み」だったり「変形させる負荷→組織損傷→炎症反応→筋緊張増加→痛み」だったりします。
小難しい話ではあるのでざっくりと対策を言えば、いずれの場合も「医学的検査」「医学的処置」をまずは行いましょう。その後の経過に応じて「運動療法」「徒手療法(≒筋ほぐし)」が有効と考えられます。
「医学的検査・医学的処置」が必要か否か、つまり「病院での診察」が必要か否かについては賛否あるかとは思います。しかし、医学的検査をしてみないとわからないことがある以上は実施したほうが良いと私は考えています。
そもそも関節に変形が生じているかどうかは、変形初期には見た目ではわかりません。
レントゲン撮影をして初めて把握できます。
「レントゲン撮っても結局、先生に簡単にあしらわれてシップ渡されておしまいでしょ」
「病院行ってもたいしたことしてくれないから無駄だよ」
と言いたい方が沢山いるであろうことも十分に理解しています(^^;
しかし、病院で診てもらうことのメリットは「重大疾患の見落としを防ぐこと」です。
病院という場所で医師にしかできないことが、日本にはたくさんあります。
本当は医学的処置が必要なものを軽視して放置したことが、後々になって取り返しのつかない大きな不利益を生むことがあるのです。
今回の膝裏の痛みであれば「関節リウマチ」「ベーカー嚢腫」「深部静脈血栓症」は医学的処置が不可欠です。良いトレーニングをしていれば治る、腕のいい整体・マッサージ師に施術してもらえば改善するなんてものではないです。
変形性関節症による膝裏の痛みも、その原因が「関節を変形させるような負担→負担によって膝の組織損傷→炎症→関節液の増加による膝の腫れ→痛み」の場合は、「膝の腫れ」を改善しないことには痛みが消えません。
膝の腫れを直接的に対処する方法は「注射で関節内の水(関節液)を抜くこと」です。これができるのは医師だけです。
まずは病院で適切に対応してもらうことが最短の解決に繋がることもあります。
また、取り返しのつかない重大リスクの見落とし回避に繋がります。
ただし実情として・・・
患者さんの心情理解も説明も不十分な医師がいることもあるとは思います。
こればかりは「病院の方針」や「医師の人間性やコミュニケーション能力」次第なので、ご自身にとって良い人間関係を築けるお医者さんと出会うことができれば、多少遠くてもかかりつけ医にするとよいかもしれませんね。
患者側の痛みに対する不安を理解し、納得できる説明をしてくれる医師であることが望ましいことは間違いありません。しかし、たとえそれらが不十分でも、重大リスクの見落とし回避という点で、医療機関で医師に診てもらうことは大事だと思います。
ちょっとばかり横道にそれてしましました。
話を戻すと、変形性膝関節症によって膝裏の痛みが生じている場合は、「医学的検査」「医学的処置」をまずは行い、その後の経過に応じて「運動療法」「徒手療法(≒筋ほぐし)」が有効と考えられます。
医学的検査が済み、変形性膝関節症が診断され、最低限必要な医学的処置もなされたら、その後は「運動療法」「トレーニング」「筋ほぐし」などが有効となります。
運動やトレーニングについては、原因別対策の解説が終わった後の章【運動とセルフケアによる対策】でお伝えしますね。また、別記事「O脚対策」で紹介したエクササイズもお勧めです。
O脚対策記事はこちら
過去記事:「O脚の原因と予防」
https://marathon-school.com/blog/detail/20200102211122/
【膝裏の痛み候補3】
次は膝関節捻挫によって膝裏に痛みが生じている場合の対策です。
この場合の対策は、まずは「医学的検査」「医学的処置」を行い、場合によっては「運動療法・トレーニング」が有効です。
なお、膝関節捻挫によって膝裏が痛い場合は、膝を痛めてしまった場面が明確であることがほとんどです。足首を捻挫してしまって足首が痛いという状況と同じです。
関節をねじるような強い負担がかかったから膝が痛んでしまっています。
なので、膝裏が痛くなった前日や長くても2,3日前くらいに、何かしら膝に負担をかけてしまった認識がある場合が多いです。
もしも思い当たる出来事があれば膝関節捻挫である可能性が高いので、損傷部位を明確にするためにも、医師による診断をお勧めします。
膝関節捻挫の対策として「運動療法・トレーニング」が有効である理由は以下の通りです。
膝関節捻挫を起こすことになった動作が、交通事故・誰かとの衝突・サッカーやラグビーなどの接触プレーなど「接触によるアクシデント」ならば、それはどうしようもなかった事故です。
しかし、ランニングや日常生活による自分単独での膝関節捻挫は、その背景には「身体の支え方を間違えてしまい、かけてはいけない方向に負担をかけてしまった」という原因があります。
もしも「運動療法・トレーニング」を通じて身体の支え方を正さなければ、再発リスクを抱えたままです。その為、「運動療法・トレーニング」が有効な対策となるのです。
具体的な対策については、後の章【運動とセルフケアによる対策】でお伝えします。
【膝裏の痛み候補4】
靭帯損傷によって膝裏に痛みが生じている場合は、候補3「膝関節捻挫による膝裏の痛み」と同じ対策です。
そもそも、靭帯損傷は「捻挫の重症度が高い場合」に起こります。
膝にはいくつかの靭帯が存在しますが、膝裏に痛みが出ている場合は「後十字靭帯」という靭帯が損傷している場合があります。その正確な診断の為には医師による検査と診断が必要です。
靭帯損傷の場合においても、膝を痛めてしまったと認識できる出来事が起きていることが多いです。なので、膝裏が気になり始めた前日や2,3日前まで記憶をさかのぼってみてください。思い当たることがあれば、靭帯損傷や膝関節捻挫が原因となって膝裏に痛みが生じている可能性が高いです。
そして、接触アクシデントではなく単独アクシデントによって靭帯損傷が起きたのであれば、「運動療法・トレーニング」による対策が有効です。
なお、靭帯損傷を起こしてしまった場合は、「医学的処置」が済んだ後の「運動・トレーニング」による対策がとても重要です。
それは、靭帯損傷によって関節の安定性が低下してしまうからです。
簡単に言うと「靭帯が緩んでしまうから膝が不安定になる」ということです。
靭帯損傷は、痛くなくなったからもう心配なし!ではありません。
損傷した靭帯は、損傷前の強さまでは完全に戻らないとも考えられています。
そんな不安定な膝のままで負荷がかかってしまうと、変形性膝関節症の発生リスクが高まります。
靭帯損傷時の対策として「運動療法・トレーニング」による対策はとても重要です。
後の章【運動とセルフケアによる対策】もぜひ参考にして下さい。
【膝裏の痛み候補5】
この場合の対策は「医学的検査」と損傷の度合いに応じた「医学的処置=手術」です。
医学的対処が適切に行われた上で、「運動療法・トレーニング」「セルフケア」が重要となります。
半月板損傷は、痛みが気になり始めた日の直近に「明らかに負担をかけてしまった出来事」がない可能性もあります。この点は負担が明確であることが多い捻挫や靭帯損傷とは少し異なりますね。
当然、明らかに膝に負担がかかって半月板損傷を起こすこともありますが、その場合はかなりの確率で「半月板損傷&靭帯損傷(膝の捻挫)」という合わせ技となっていますので、思い返せる出来事がある場合は医療機関での診察をお勧めします。
明確な出来事がないのに半月板が痛んでしまう理由はいくつかあります。
生まれつき半月板の形に問題があった(円盤型半月板)という場合や、長い時間をかけて少しずつ半月板がボロボロになっていった場合などのケースが存在します。
いずれの場合も曲げ伸ばしの際に引っかかるような感覚を伴うことがあり、関節が固まっていまい全く動かなくなってしまう状態になることもあります。
半月板損傷の有無は医学的検査をしてみないと正確には把握できません。
また、損傷の程度によりますが、手術を行って傷んだ半月板を除去しなければ改善が見込めないケースもあります。
このような医学的対処が行われた上で、悪化を予防する為に「運動療法・トレーニング」や「セルフケア」がお勧めです。
もしも半月板損傷と診断を受けた場合、このあとにお伝えする【運動とセルフケアによる対策】は必ずしも適切ではないこともありますので、主治医やリハビリ担当の先生に実施可否を確認してください。
【膝裏の痛み候補6】
ベーカー嚢腫(のうしゅ)による膝裏の痛みの対策は「医学的検査」と「医学的処置」のみです。
その前に、まず「ベーカー嚢腫とは何だ??」ということになると思います。
簡単に言ってしまえば、膝裏にある袋が異常に膨らんでしまった病気です。
「膝裏の袋??」
袋と言われても想像しづらいかもしれませんが、膝に限らず関節と呼ばれる部分は袋状の組織にしっかりと包まれています。これを「関節包」と言ったりもするのですが、とりあえず、関節は袋に包まれた状態なんだと思っていただければ大丈夫です。
そして、膝にはおまけの袋がいくつかありまして、その1つが膝裏にあります。
この膝裏にある袋が異常に膨らんでしまった状態が「ベーカー嚢腫」です。
ベーカー嚢腫の場合、膝裏がぽっこり腫れていることが多いです。
「ふくらんでるから揉んでみよう」なんて決して思わないでください。
強い圧をかけてしまうことは危険です。
マッサージをして散らせるものではありません。むしろ悪影響です。
まずは医師にしっかりと診察してもらい、必要に応じて注射で袋内に溜まった水を抜くことが対策です。
また、放置し過ぎると、ふくらんだ袋が膝裏を圧迫してしまい血液やリンパの循環不良を引き起こすことなどがありますので要注意です。
膝裏が膨らんでいて痛みも伴う場合がある時は、整形外科クリニックなど医療機関の早期受診をお勧めします。
【膝裏の痛み候補7】
この場合の対策は「医学的検査」「医学的処置」が第一です。
そして、主治医の判断に基づいた「運動療法やトレーニング」「セルフケア」が重要です。
関節リウマチは「医学的な対策」の重要性がとても高いです。
関節リウマチの場合の不適切な対応は、効果がないどころか取り返しのつかない不利益に繋がる可能性がとても高くなります。良かれと思って行った運動が関節破壊を進めてしまうなんてこともあります。
今回のブログでは多くを割愛しますが、とにかく「早期に医学的処置」を行うことが重要です。
ただし、今回のテーマである「膝裏の痛み」という場合で考えると、関節リウマチの可能性は低いかもしれません。
それは、関節リウマチの症状が膝だけに単独で発生することは稀なケースと考えられるからです。
もしも「起床時に関節がこわばって動かしづらい感じがする」とか「手指や手首にも痛みやこわばり感を感じる」などの症状がある場合は、早めに医療機関(整形外科)を受診することをお勧めします。
血液検査・画像検査(レントゲン撮影)・超音波検査やMRI検査などを行い診断します。
そして、薬物療法を中心に生活習慣の見直しやリハビリ(運動療法や物理療法)などを行って対策し続けていきます。
関節リウマチの対策で大事なことは「早期の適切な対応」です。
整骨院・整体・民間療法では不可能なことが多くありますので、頭の片隅に留めておいて頂けたらと思います。
【膝裏の痛み候補7】
深部静脈血栓症という病気によって膝裏に痛みが生じることがあります。
深部静脈血栓症とは、下肢の血管が詰まってしまった状態です。
血管をふさいでしまうのは「血栓」という血の塊です。この血栓が、膝裏や膝裏近辺の血管(静脈)をふさいでしまい、結果として膝裏に痛みが発生します。
この場合の膝裏の痛みは一刻を争うこともありますので、早期に医学的検査&医学的処置が必要です。
このブログをご覧になっている方々に、深部静脈血栓症による膝裏の痛みが起こる可能性は低いかもしれません。
しかし、そのようなこともあるかもしれないということを頭の片隅に残しておいてもらえると、万が一の場合でも対処に遅れることなく行動できるかもしれません。
深部静脈血栓症の詳細は割愛しますが、簡単にお話しします。
「下肢静脈瘤がある」
「慢性的にむくみがひどい」
「血液検査で問題を指摘されたことがある」
など、血管や血流に問題を抱えている人は深部静脈血栓症が生じる可能性が高いかもしれません。
血栓ができてしまう理由は様々ですが、血流が滞った場所に生じることが多いです。
デスクワークや長時間フライトなど、下肢を動かさない状態が続くと血流が滞り、その結果血栓という血の塊ができてしまいます。
そして、血栓が血流にのって流れていってしまい、それが下肢の静脈で詰まってしまうと「深部静脈血栓症」です。
下肢の血管では詰まらずに、肺の血管まで到達して詰まってしまうと「肺塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)」です。
肺塞栓症は命にもかかわる状態です。深部静脈血栓症に続いて肺塞栓症が起きてしまうこともありますので、下肢の腫れを伴った膝裏の痛みは甘く見ない方が良いかもしれません。
(深部静脈血栓症は膝裏以外でも生じます。ふくらはぎが痛くなることもありえます。)
(ちなみに、肺塞栓症は胸や肺の部分が痛くなることが多いです。)
膝裏の痛みというテーマで命に関わる病気が出てくるとは思っていなかったですよね。
脅したいわけではないですよ(笑)
起こる可能性は低くても、知っていることが迅速な対応に繋がる可能性があると思います。
深部静脈血栓症の場合に「むくんでいるし痛いけど、筋肉ほぐしとけば大丈夫でしょ」なんて対応はとってもマズいです。
もしも、
「ぶつけたわけでもないのに下肢が痛い」
「痛いし腫れてしまっている」
そんな場合は「深部静脈血栓症」の存在も思い出してもらえるとよいかと思います。
膝裏の痛み対策【運動とセルフケアによる対策】
様々な原因をお伝えしましたが、運動・トレーニング・セルフケアが膝裏の痛みの改善に繋がる場合は、これから紹介する方法を参考にしてみてください。
走っているときに膝裏が痛い場合、それは「膝裏の使い過ぎ」である可能性が高いです。
膝裏の使い過ぎになってしまう理由を簡単に説明しますね。
ランニングの推進力を生みだしてくれるのは、地面を踏み込んで後方に向かって蹴る力が存在するからです。
後方に向かって地面を蹴る力を生み出してくれる部分は、人間には3か所あります。
①足首
➁膝
③股関節
この3つです。
このうち「股関節」が仕事をさぼっている場合は、足首と膝への負担が強くなります。
負担を強いられることになった「足首を動かす筋肉」と「膝を動かす筋肉」は膝裏で重なり合っています。
足首と膝に頼り過ぎた結果、膝裏に負担が集中してしまいます。
なので、解決策は「股関節能力アップ」です。
股関節にしっかり仕事をしてもらえるように鍛えてあげましょう。
というわけで、4段階にわけて股関節能力UPエクササイズを紹介します。
レベル1から順番に行ってください。レベル1エクササイズがしっかりとできないうちは、レベル2以上を行っても無意味になってしまうことが多いです。
できないことを頑張ることは大変なことですが、できないことをできるようにするから改善が見込めるわけです。
というわけで、頑張っていきましょう!!
(※既に身体に痛みがある方や痛みを繰り返している方は、主治医や普段お世話になっている専門家に実施可否を判断してもらってください。お体の状況によっては行わない方が良い運動もありますので、実施に当たっては十分にご注意ください。)
ランニング推進力UP【股関節機能改善エクササイズ:レベル1】
1: 仰向けに寝て、両手を前ならえの状態にします。
2: 足裏で地面を押して腰を持ち上げます。肩、腰、膝が一直線になるようしましょう。
3: もも裏~お尻にかけて力がしっかりと入っていることを確認します。
4: 上げ下ろしを15回行います。
【注意点】
上段:OK
OKポイント1:腰が反り過ぎずに腰を持ち上げられている。
OKポイント2:お尻の筋肉をしっかりと使えている。
下段:NG
NGポイント1:腰が反り過ぎている。
NGポイント2:ももの前側の筋肉に頼ってしまっている。
上左:OK
OKポイント:膝下が真っすぐ平行に保たれている。下半身と上半身にズレがない。
上右:NG
NGポイント:膝が開いてガニ股状態。
下左:NG
NGポイント:膝が閉じて内股状態。
下右:NG
NGポイント:膝下は平行に見えるけど、腰(骨盤)が左足側へズレてしまっている。
ランニング推進力UP【股関節機能改善エクササイズ:レベル2】
1: 仰向けに寝て、両手を前ならえの状態にします。
2: まずは両足の足裏で地面を押して腰を持ち上げます。肩、腰、膝が一直線(写真上段)。
3: もも裏~お尻にかけて力がしっかりと入っていることを確認します。
4: 片足だけ持ち上げて、片足で支えます。片足になっても肩、腰、膝は一直線キープ(写真下段)。
5: 3秒キープしたら写真上段の状態に戻る。片側10回を目安に行います。
上段:OK
OKポイント1:腰が反り過ぎずに腰を持ち上げられている。
OKポイント2:お尻の筋肉をしっかりと使えている。
下段:NG
NGポイント1:腰が反り過ぎている。
NGポイント2:ももの前側の筋肉に頼ってしまっている。膝が頑張っている感じがする。
左:OK
OKポイント1:両足の膝下が平行。骨盤(胴体)が地面に対して水平にキープできている。
右:NG
NGポイント1:両足の膝下が平行ではない。骨盤(胴体)が傾いてしまっている。
ランニング推進力UP【股関節機能改善エクササイズ:レベル3】
1: 壁に寄りかかります。片足は床(膝は軽く曲げた状態)。もう片足は壁に付けた状態にします。
2: お尻は壁に付けたまま、背中を丸めずにお辞儀をします。
3: お尻に力がしっかりと入っていることを確認します。
4: 3秒キープしたら元の状態に戻る。片側10回を目安に行います。
上左:OK
OKポイント:下肢から上半身まで真っすぐに保たれている。下半身と上半身にズレがない。
上右:NG
NGポイント:胴体が傾いた状態。
下左:NG
NGポイント:上右と同じく、胴体が傾いた状態。
下右:NG
NGポイント:体は真っすぐに見えるけど、膝が内側にズレてしまっている。
上左:OK
OKポイント:上半身が真っすぐに保たれている。お尻の筋肉にしっかりと力が入っている。
上右:NG
NGポイント:腰が丸まっている。お尻ではなくもも前に力が入って膝が頑張っている状態。
下左:NG
NGポイント:猫背。お尻ではなくもも前に力が入って膝が頑張っている状態。
下右:NG
NGポイント:反り腰。お尻ではなくもも前に力が入って膝が頑張っている状態。
ランニング推進力UP【股関節機能改善エクササイズ:レベル4】
1: 足を前後に広げます。
2: 背中を丸めずに腰を落としていきます。前側の足にしっかりと体重を乗せてください。
3: 前側下肢のお尻に力がしっかりと入っていることを確認します。
4: 元の状態に戻る。片側10回を目安に行います。
上左:OK
OKポイント:下肢から上半身まで真っすぐな状態が保たれている。
上右:NG
NGポイント:膝が内側にズレている。内股状態。
下左:NG
NGポイント:腰が外側に大きくずれてしまい、下肢と上半身がズレている状態。
下右:NG
NGポイント:体は真っすぐに見えるけど、骨盤だけ外側にズレてしまっている状態。
上:OK
OKポイント1:上半身の姿勢が崩れずに真っすぐな状態が保たれている。
OKポイント2:お尻の筋肉でしっかりと支えている。
下左:NG
NGポイント1:腰が丸まってしまっている状態。
NGポイント2:ももの前側に力が入って膝が頑張っている状態。
下右:NG
NGポイント1:腰が反ってしまっている状態。後ろ荷重になっている
NGポイント2:ももの前側に力が入って膝が頑張っている状態。
膝裏痛み予防&ケア【膝裏対策セルフストレッチ】
1: 仰向けに寝て膝を曲げた状態で片足のもも裏を抱えます。
2: 膝をしっかりと伸ばします。もも裏が伸びることを確認します。
3: つま先も自分の顔の方に向かって動かします。ふくらはぎと膝裏が伸びることを確認します。
4: 3秒キープしたら元の状態に戻ります。片側10回を目安に行います。
下肢の裏側がしっかりと伸びていることを確認してください。
もしも膝を伸ばしきれない場合は、曲がったままでもよいので実施可能な範囲で行ってください。
(※膝とは関係なく座骨神経痛や腰疾患のある方はやらない方が良い事もあるので要注意です。)
【膝裏対策はランニングの可能性を広げる!?】
膝裏の痛み対策、いかがでしたでしょうか?
膝裏の痛みがある方は、股関節の仕事っぷりが甘くなっていることが多いです。
股関節の仕事っぷりが改善されると、「推進力の増大」「怪我の予防」に繋がります。
推進力が増えればランニングパフォーマンスは向上します。
怪我をしなければしっかりと練習ができるので、ランニングパフォーマンスは向上します。
膝裏の痛み改善を目指すことは、ランニングパフォーマンスの向上にも繋がりますので、ぜひとも参考にしてみてください。
皆さんのランニングライフ向上に貢献出来たら嬉しいです!
Link Fitness限定「ランナーの為の痛み・違和感改善サポートブログ」
過去記事1:「足部の痛みや膝痛の原因にもなるランニング中の足首のブレ改善方法」
https://link-fitness-center.com/blog221/
過去記事2:「腰痛や膝痛の原因にもなる骨盤のゆがみ改善方法」
https://link-fitness-center.com/blog222/
過去記事3:「O脚の原因と予防」
https://marathon-school.com/blog/detail/20200102211122/
過去記事4:「X脚の原因と予防」
https://marathon-school.com/blog/detail/20200209201054/
著者:三井祐紀(理学療法士・CSCS)
https://mitsuiyuuki.com/
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