ランナーの落とし穴。ランニングフォームを整えるその前に!

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ランニングコラム

ランナーの落とし穴。ランニングフォームを整えるその前に!

2021/07/16

ランナーの落とし穴。ランニングフォームを整えるその前に!

綺麗なフォームでカッコ良く走りたい!
そんなあなたはランニングフォームを整える前に、そもそも普段の姿勢は綺麗ですか?止まった状態でできない事が、動きの中でできますか?
まずは止まった状態を良くする事で、それが動きの中に「勝手に」出てきます。今回は、人間の持っている本来の動きを引き出す方法について見ていきます。

綺麗なフォームで走る条件

綺麗なランニングフォームと聞いて、誰を思い浮かべますか?
日本人だと大迫選手の名前が挙がりそうですね。
ランニングフォームが綺麗だと、何が良いのか。まずは怪我をしません。マラソンのレースに怪我を押して出場してませんか?痛みを抱えながら走ってませんか?それ、フォーム次第で改善できるかもしれません。また、ランニングエコノミー向上により、タイムが伸びます!

しかし大迫選手のようなフォームになるには、いくつかクリアしないといけない条件があります。

大まかに挙げますと
①全身の筋肉の柔軟性
②各関節の可動域
③筋力
④筋持久力
⑤各動作に適切な筋肉を使う
が必要となります。
よって、綺麗なランニングフォームとは、全身の筋肉や関節が柔らかく、力強く、人間本来の筋肉の使い方をして、その正しい動作の再現性が高い事を指します。。。。。。わかりにくいですね(笑)

1つずつ説明していきます。

①全身の筋肉の柔軟性について

まず綺麗なランニングフォームで走る条件①全身の筋肉の柔軟性についてです。

イメージすると分かると思うのですが、ガチガチな筋肉の方と、やわらか〜い筋肉を持っている方の2人が走るとなったとき、しなやかに走れるとはどちらでしょうか。答えは明確だと思います。


運動前にストレッチや体操をするかと思いますが、これは動いてなかった固まった筋肉に「これから使うぞー!」と教えてあげ、柔軟性を持たせる意味があります。また、日頃からストレッチをして頂くことで、筋肉が「あ、ここが限界だと思っていたけど、ここまで伸びていいんだ!」と、その範囲を形状記憶する機能があります。

これを利用し、筋肉の許容範囲を広げていくことは、パフォーマンスを上げることにとってとても重要なことになります。

②各関節の可動域

次は②ですが、これは何か怪我等がない限り①と連動しますので、割愛させて頂きます。

③筋力

綺麗なランニングフォームで走る条件③筋力についてです。大迫選手もウエイトトレーニングをしている動画を見たことある方は多いと思います。

しかしこれは、つけ方が大事です。競技に応じてトレーニングの仕方は違います。同じ走るという競技でも、短距離選手と長距離選手の体は違いますよね。

「筋力は筋断面積に比例する」ということが分かっています。

なので短距離選手は積極的に筋肉を大きくするトレーニングを取り入れています。もちろん限度はありますので、ボディビルダーとも鍛え方が違うのはなんとなく分かると思います。

長距離選手に強い力は必要なの?と思う方もいると思いますが、ある程度はあった方がいいですね。

筋トレの場合、15回程度繰り返しただけできつく感じる負荷のトレーニングを推奨します。

筋力の最大値をある程度引き上げておくことによって、走る際の体力消耗が減ります。イメージで言うと、最大100km/hしか出ない車が100km/h出すのと、最大300km/h出せる車が同じことするのではガソリンの減り方が違うというのがわかりやすいかと思います。

よって、何度も言うように限度はありますが、ある程度の筋力は長距離ランナーでも必要です。

筋トレではなくランニングの練習や前後で行う補強運動で言うと、短いダッシュ、各種ジャンプ動作(両脚、ホッピング、全力に近いスキップ動作など)です。

④筋持久力

次に綺麗なランニングフォームで走る条件④です。

これも③と深い関係があります。長距離ランナーにいくら強い筋出力があっても、そこに持久性が伴わなければ意味がありません。「いい塩梅」が必要です。筋持久力とは、中程度の負荷を数十秒から数分かけ続けることによって手に入れられます。「中程度の負荷」って何?となりますよね。

筋トレの場合だと、15~20回で、もうそれ以上繰り返せなくなる負荷を、1分以内の休憩程度で3~5セット繰り返すと筋持久力を上げる効果が高いと言われます。

ランニングの練習例に置き換えると、インターバル走やレペティショントレーニング、ペース走等が該当します。

 

「持久力」というと「LSD」(Long Slow Distance)という、長い距離をじっくり時間をかけて走る練習を思い浮かべる方もいると思いますが、LSDは「筋力」部分よりも実際には「エネルギー」部分の改善を目的にやるものです。糖質の体内に貯蔵できる量を増やしたり、脂質を多く効率的に燃焼できる身体づくりですね。

最大筋力を上げること、筋持久力を上げること、これはどちらかをやれば良いものではなく両立させてこそ良い結果をもたらすので、そこを意識してメニューを組みましょう。

⑤各動作に適切な筋肉を使う

そして、綺麗なランニングフォームで走るのに最も重要なのがこの⑤です。

例えば足を引き上げる動作をする際、何種類もの筋肉が同時に活動しますが、本来なら腸腰筋をメインに使って行いたいです。しかし前腿にある大腿直筋をメインに使ってしまったり、もも外側の大腿筋膜張筋をという筋肉が、必要以上に使ってしまったりします。

「股関節を引き上げる」という動作に対して、各筋肉の「筋力の発揮バランス」が非常に重要で、これが崩れると股関節の動き方が微妙に変わり、どんどんクセづきます。

その結果、怪我に繋がってしまったり、異常な張りが起きたりしてしまいます。

また、冒頭の綺麗なフォームで走るというところで言う、「何かがおかしい」フォームに見えることが多いです。

うまく使えていない筋肉の代わりに、使うべきでない筋肉を使っているので、当然といえば当然ですね。本来人間が持ち備えている機能を、如何に邪魔せず引き出すか。ここに全てが詰まっているのです。

ではどのようにしてその機能を引き出すのか、見ていきましょう。

そもそも!走る時に使いたい筋肉

あなたはいつも走っている時、どこの筋肉に疲労感を覚えますか?
この問いに対する模範解答は、「お尻と腿裏」です。

人間は前に進むにあたり、本来なら進行方向に対して斜め後ろに力を発揮します。これは地面を「押して」いる状態です。
しかし、冒頭の問いに「前腿やふくらはぎ」と答えたあなた。あなたは地面を「掻いて」進もうとしています。例えるのであれば、ほふく前進のイメージです。
このどちらが省エネで進むか考えてみると、答えは明らかですよね。そう、前者です。

ここで必要になってくる筋肉が、「腸腰筋」です。

腸腰筋

上半身と下半身を直接つなぐ唯一の筋肉。主に股関節の引き上げや骨盤の前傾に作用します。

ランナーの方であれば、よく聞く筋肉名かと思いますが、その構造をもう一度確認しておきます。

まず、腸腰筋は3つの筋肉の集合体です。大腰筋、小腰筋、腸骨筋の3つです。

特に大腰筋は股関節を跨ぐ唯一無二の筋肉であり、この筋肉がきちんとはたらくかが、とてもパフォーマンスに影響してきます。100m世界記録保持者のボルトは日本人選手よりもかなり太い大腰筋を持っています。

 

この腸腰筋をしっかり機能させることで足が楽に引き上がり、高い位置から正しい位置へ振り下ろすことができます。

また、この腸腰筋は骨盤の適度な前傾を促し、お尻の筋肉やもも裏の筋肉がはたらきやすい姿勢をキープしてくれます。※骨盤の過度な前傾は反り腰につながるので注意してください。

その結果、お尻ともも裏がよく使えるようになります。

よく接地はカラダの真下に!と言っている人がいますが、それは理想的な動きができた結果論です。

 

腸腰筋が正しく作動することで、結果、そのようなフォームになるのです。この順番を間違えてはいけません。

ではお待たせしました。腸腰筋を使うための環境を整えていきましょう。

あなたの腸腰筋は機能してる?

まずはチェックです。
椅子に座った状態で、頭が上から引っ張られるようなイメージで背筋を伸ばして座ってください。そこから膝は曲げたまま、左右交互に脚を上げてみましょう。
いかがでしょうか。

腰が丸まってしまった方、股関節周辺に詰まりが出た方、上がる高さや感覚に左右差がある方。いらっしゃると思います。

また、「どこを使ってる感覚」がしてでしょうか。

股関節のコンディション、筋肉の使われるバランスによって個人差がかなり出ます。

ももの前真ん中くらいに感じる方、股関節付け根に感じる方、股関節のやや外側に感じる方、もも裏に感じる方、お尻に感じる方、と様々です。

 

まずはこの、現状を知るという作業がとても大切になってきます。自分のカラダの特徴を把握しておくことで、日頃行うセルフケアの方法が絞られてくるからです。


また、立った姿勢で、横向きで鏡で見て確認しておきましょう。股関節を90°、つまりももが床と平行になった時、骨盤は普通に立っている時と変わらない姿勢をキープできるでしょうか。骨盤が丸まってしまったら(骨盤の後傾と言います)腸腰筋がうまくはたらいていないサインです。

腸腰筋を使うための環境を整える

先ほどのチェックで、脚が全然上がらなかった方もいるかと思います。それは腸腰筋がはたらくかどうかを考える前に、「可動域」を改善しないといけません。

姿勢の悪さや柔軟性の影響で、股関節の引き上げがしづらい状態になっているのです。

2020年3月以降、リモートワークが増えたこの世の中で、以前にも増して座る時間が長くなってきているかと思います。

 

最初は綺麗な姿勢で座っていても、次第に猫背になり、腰は丸まっている方が多いのではないでしょうか。筋肉を覆っている筋膜は、30分以上同じ姿勢が続くとそれを徐々に形状記憶してしていきます。そう、悪い姿勢をカラダが覚えてしまうのです。怖いですよね。

これを解消するために、以下の工程を行ってみてください!※何らかの痛みが出た場合は中止してください。
①バスタオルを丸めて、腰の下の方へ当てて寝転び、10秒ほどキープ→一度腰を丸めて再度行う。5回ほど繰り返す。
②テニスボールをお尻の真ん中に当ててゴロゴロさせる。
③前屈でもも裏のストレッチをする。
④椅子に座ったまま頭の後ろに手を回し、首、背中を丸めてストレッチ。

これらを、動きが悪かった方は行っていただき、もう一度初めに椅子でやった股関節引き上げチェックをしてみてください!

いかがですか?


先ほどよりも脚が上がりやすくなったと思います。

姿勢の確認

では股関節の動きが良くなったところで、立って横向きで鏡を見てみてください。恐らく最初よりも綺麗な姿勢になっているかと思います。

これは、走るときに腸腰筋がうまくはたらきやすい状態です。可能な方は上記のストレッチ、エクササイズ直後、そのまま少し走って頂くと、いつもよりも少し脚が上がりやすい事を感じて頂けるかと思います。

まとめ

このように、ランニングをしている最中に「この筋肉を使って、ここはこうやって使って…」と色々やろうとしても、そもそもの姿勢が悪ければうまく使うことができません。

 

今回は腸腰筋を例に紹介しましたが、腕振りや呼吸だって、正しくできる条件というものが人間には存在します。

 

動作中に細かい事を意識しすぎると、ぎこちない動作になってしまいます。走るときには走ること自体を全力で楽しんでいただき、フォームの改善はストレッチやエクササイズも適宜取りいれると効果が出やすいと、一度考えてみてください。

しかも今より怪我せず長く楽に走れるようになるというおまけつきです。

まずはこの瞬間から、普段の姿勢に気をつけていくよう、心がけましょう!

執筆:西岡賢一 監修:植松駿太

西岡賢一:プロランニングトレーナー
日体大駅伝部出身。兵庫県淡路島で生まれ、山や海など自然の中を駆け巡る少年期を過ごす。
休日はヨガで始まる、カフェ巡り好きの28歳。現在はランナーのクライアントを中心に小学生から大人まで、年間約2000本のセッションを行うランニングトレーナー。
「寝ているかのように楽に走る、ケガしないランニングフォーム」や「走る事の楽しさ」を発信中。

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